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| 『平家物語』がいつ書かれたのかは、はっきりしない。その存在を伝える最も古い記録は、「『兵範記』紙背文書」である。そこには、1240(仁治元)年に「治承物語六巻〈平家と号す〉」を書写したとある。この当時、「治承物語」と称する六巻の書があり、それが「平家」とも呼ばれていたことがわかる。治承は、1177年8月から1181年7月までの年号で、治承五年に平清盛が没している。現在の『平家物語』では、巻六に清盛の死が記されているのだが、「治承物語」は現存せず、その内容はわからない。次に記録上に現れるのは、「『普賢延命抄』紙背文書」で、そこに、1259(正元元)年に「平家物語合はせて八帖〈本六帖、後二帖〉」を貸し出したとある。その関係を確かめるすべはないが、「治承物語」六巻がほぼ20年を経て「平家物語」八巻になったとも想像される。 |
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